犬・猫の食欲がなくて心配…食欲不振の原因と受診のサインは?

「最近、前より食べる量が減った気がする」
「フードは残すのに、おやつだけは食べている」
愛犬や愛猫にそんな変化があると、「少し様子を見てもよいのだろうか」と迷われる飼い主様は多いでしょう。

犬や猫の食欲不振は、フードの変更や生活環境の変化による一時的なものもありますが、体のどこかに不調が起きている最初のサインとなる場合もあります。

この記事では、犬や猫の食欲不振で考えられる原因、様子を見てよいか迷ったときの判断の目安、動物病院で行う診察や検査の考え方について、わかりやすく解説します。

犬・猫の食欲不振で考えられる原因|一時的なものから全身性疾患まで

犬や猫の「食欲が落ちている」場合、どのような理由が考えられるでしょう?
食べ物の好き嫌いの問題と思われがちかもしれませんが、実際には口の痛みや内臓の異常など、食欲不振は幅広い病気のサインとなります。

比較的よく起こるのは、一時的な要因による食欲の低下です。
たとえば、急にフードを変更したあとや、引っ越し・来客・同居動物の変化などで落ち着かない日が続いたあとには、食べる量が一時的に減ることがあります。暑さや寒さ、生活リズムの乱れが影響することもあるでしょう。

ただし、食欲不振が体の不調から起きているケースも少なくありません。

たとえばこのような原因が挙げられます。
・口内炎や歯周病などで口が痛い
・胃腸の動きが落ちている
・便秘でお腹が張っている
・発熱がある
・嘔吐や下痢を伴う消化器トラブル
・肝疾患
・リンパ腫
・腹腔内腫瘤
・血管肉腫 など…

全身にかかわる病気の初期症状として「食べる量が減った」といった様子だけが見られることがあります。
とくに腫瘍性疾患が進むと、体が栄養をうまく保てなくなり「悪液質」と呼ばれる全身的な消耗状態につながりかねません。

こうした病気は、早い段階で見つけられるほど治療の選択肢を考えやすくなります。
食欲不振は消化器だけの問題と決めつけず、全身の異常の入り口として捉えることが大切です。

どこまで様子を見てよい?|食欲不振の深刻度を見分けるポイント

食欲不振が気になったときは、「食べているか、食べていないか」だけで判断しないことが大切です。
見た目には少し食べているように見えても、実際には必要な量に足りていないこともあります。

ポイント①食べられる量と内容

まず確認したいのは、まったく食べないのか、少しは口にするのかという点です。
あわせて、フードは食べないのにおやつは食べるのか、食べる量が急に減ったのか徐々に減ってきたのか、それに伴い体重が落ちていないかといった変化も重要な手がかりになります。

注意したいのは、「おやつだけ食べるから大丈夫」「少しは食べているからまだ平気」と考えてしまうケースです。
食べ方に偏りが出ていたり、何となく食べている状態が続いたりしている場合は、油断できません。徐々に体重が減っているなら、体のどこかで異常が進んでいる可能性があります。

ポイント②食欲以外の変化

食べないことに加えて、飲水量の低下や動きたがらない様子などは、小さな変化の一つです。

さらに、嘔吐、下痢、元気のなさ、発熱、お腹の張りなどを伴う場合は、緊急性が高まることがあります。
とくに症状が短時間で強くなっている場合や、いつもと違う様子がはっきりある場合は注意が必要です。

ポイント③食欲がない期間

ひとつの目安として、数日以上続く食欲不振は一度きちんと原因を探りたいタイミングです。

ただし、猫の場合、食べない状態が続くこと自体が大きな負担になりやすいという点はぜひ覚えておいてください。とくに数日に渡りほとんど食べられていない場合は、病気を招くリスクがあります。

食欲不振は軽く考えずに、早めに動物病院で確認をしましょう。

数日以上続く食欲不振は受診を|パル動物クリニックの診療事例

食欲不振という症状は、それだけでは原因を絞れません。しかし実際の診療では「いつもより食べない」という気付きから、重い病気が見つかることがあります。
ここでは、当院の実際の診療であった事例をご紹介します。

食欲不振からリンパ腫が発覚したケース

食欲不振を訴えて来院された犬や猫の診察で、お腹の触診をした際に違和感が見つかるケースがあります。
こちらのケースでは、血液検査で肝臓の数値に異常が見つかり、その後のお腹の超音波検査で肝臓に病変が見つかり、最終的にリンパ腫の診断がついたのです。

食欲不振とお腹のふくらみがあったケース

また、食欲不振に加えて「お腹がふくらんできた」という変化で来院されたケースでは、診察時に腹腔内腫瘤が疑われ、あわせて貧血も見つかりました。
さらに詳しく検査を進めた結果、脾臓が大きく腫大しており、血管肉腫の発見につながりました。

食欲がないことで受診されるのは決して大げさなことではありません
むしろ、はっきりした症状になる前に気づいて相談していただくことは、とても大切な行動です。様子を見ているうちに発見が遅れてしまうこともあるからこそ、早めの受診には大きな意味があります。

リンパ腫についてはこちらで解説しています

動物病院では何をみる?|家庭ではわからない異常を見つけるための診察と検査

食欲不振で来院されたとき、動物病院ではまず問診を行います。
「いつから食欲低下が始まったか」「何なら食べるのか」「嘔吐や下痢はあるか」「体重の変化はあるか」などをお聞かせください。

そのうえで、体重の変化、脱水の有無、発熱の有無をみたり、お腹を触って張りやしこりのような違和感がないかを確かめたりしながら、全身状態を評価していきます。
ここで初めて異常の手がかりが見つかることも少なくありません。

必要に応じて、以下のような検査も組み合わせて原因を探ります。
血液検査:肝臓や腎臓の状態、炎症の有無、貧血などを確認
レントゲン検査:お腹の大まかな状態やガスのたまり方を把握
超音波検査(エコー):肝臓や脾臓、腸、お腹の中の腫瘤の有無までより詳しい評価

とくに、腹腔内腫瘤や臓器の腫大は、ご家庭では気づくことが難しい変化です。
見た目には食欲不振だけでも、獣医師による触診やエコーで初めて異常が見えてくることがあります。

当院では、肝臓や脾臓、腫瘍性疾患などの重篤な疾患も視野に入れて、一頭一頭に合わせた検査を行い、全身を丁寧にみていきます。もし重篤な疾患が判明した場合でも、専門的な知見をもつ「犬猫がんセンター」を併設しているため、診断から高度な治療までスムーズに対応が可能です。
検査結果やその後の治療方針についても丁寧にご説明します。わからないことは、遠慮なくお尋ねください。

犬猫がんセンターについてはこちら

“食べない日がある”で済ませない|迷った時点で相談を

犬や猫の食欲は、気温や環境の変化で一時的に落ちることがあります。
ただし、数日以上続く場合や、体重減少を伴う場合、ほかの症状が重なっている場合は、様子見で済ませないほうがよいでしょう。

「何となく食べが悪い」「前より食べる勢いがない」といった変化は、病気の初期サインとしてとても重要です。

当院は、地域に根付いたかかりつけ医として、飼い主様の小さなご不安にも丁寧に対応いたします。そして「食欲不振」といった症状も一時的な不調として片づけず、背景に何があるのかを丁寧に見極め、肝疾患や腫瘍性疾患のような大きな病気まで見落とさないようにしています。
気になる変化がありましたら、どうぞ当院にご相談ください。

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