犬・猫のしこりを見つけたら|痛がらない?硬い?適切な対処法を獣医師が解説

日常のふれあいの中で、犬や猫の体に小さなしこりを見つけると、不安な気持ちになってしまうものです。
「痛がっていないから大丈夫かな」「以前より少し大きくなっている気がする」と迷ってしまい、そのまま様子を見ようと考える方も少なくありません。

 

しかし、しこりの中には早めの診断や治療がその後の経過を大きく左右するものもあり、大切な家族と長く一緒に過ごすためにも、しこりの正しい知識をもっておくことがとても大切です。

 

この記事では、「犬猫がんセンター」を併設するパル動物クリニックの獣医師が、犬や猫のしこりを見つけたときのチェックポイントや動物病院におけるケア・治療について分かりやすく解説します。

 

しこりを見つけたとき、まず確認したいポイント

しこりはすべてが腫瘍というわけではありません。
皮脂がたまった袋状のもの、炎症に伴う腫れ、菌による膿のかたまりなど、原因は数多くあります。
しかし、見たり触ったりするだけで飼い主様が判断することは難しく、動物病院での診察が必要になります。
受診前の段階で、以下の点を確認しておくと診断の助けになります。

 

大きさ:直径はどれくらいか、数日〜数週間で変化はあったか
硬さ:柔らかい、弾力がある、石のように硬いなどの質感
痛み:「触ると嫌がる」「気にして舐める」などの様子はないか、赤みや熱感があるか
場所:皮膚の上なのか、皮膚の下の脂肪層・筋肉層なのか
:一箇所だけか複数か

 

これらは受診の際に獣医師へ伝えていただくと、スムーズに診療が進みます。

 

緊急性の高いしこりの特徴|急いで受診すべきサイン

中には早急に診察が必要となるしこりもあります。
特に次のような変化が見られた場合は、できるだけ早めに動物病院へご相談ください。

 

短期間で急に大きくなる
しこりの表面が赤くただれている
血がにじむ、液体が出ている
触ると嫌がる、痛みで動きたがらない
しこりの周囲が熱をもって腫れている
食欲が落ちる、元気がないなど全身の変化がある

 

これらは炎症や感染、悪性腫瘍など、進行性の問題が隠れている可能性があります。しこり以外の変化にも目を向けていただくことが、早期発見につながります。

 

「良性だから大丈夫」は本当?

「しこりは良性か悪性かが重要だ」と考える飼い主様も多いですが、実は良性のしこりでも注意が必要な場合があります。

 

それは、時間の経過とともに大きくなるタイプの良性のしこりです。
体の動かしにくさにつながったり、こすれて破れてしまうことがあるため、犬や猫の生活の質(QOL)に影響します。
また、持続的に出血している場合や脳腫瘍の場合は健康問題につながりますので、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。

 

「しこりがある=すぐ悪いものではない」ものの、「小さいから大丈夫」「痛がらないから様子を見よう」と考えて放置しないことが大切です
定期的な健康チェックに加え、早期発見・早期の確定診断を行うことで、治療の選択肢が広がり、負担の少ない方法を選べる可能性が高まります。

 

しこりの検査方法と診断までの流れ

しこりの診断で初めに行うのが「細胞診(さいぼうしん)」という針で細胞を採取する検査です。
細い針を刺して細胞を吸い取り、顕微鏡で観察する方法で、多くの動物にとって体への負担は比較的少ない検査です。

 

ただし、細胞診だけでは診断がつかないこともあります。
その場合は「組織生検」を行い、しこりの一部を採取して詳しい病理検査を実施します。細胞の構造を詳しく調べることで、腫瘍の種類や悪性度をより正確に判断できます。

 

さらに、腫瘍が疑われる場合にはX線検査・超音波検査・CT検査などを組み合わせ、しこりの広がりや転移の可能性も確認します。

 

検査の結果、外科手術が最適と判断されることもあれば、経過観察が望ましいと判断されるケースもあります。
治療の選択肢はしこりの種類や位置、大きさ、年齢や体調によって異なるため、総合的な判断が大切です。

 
「しこり」「腫瘍」が気になる場合は専門性の高い動物病院へ

「しこり」、「腫瘍」や「がん」は診断も治療も高度な専門性が必要とされる分野です。
また腫瘍を良性か悪性か見極めることは、獣医師であっても簡単ではありません
しこりの種類によっては、早い段階で適切に処置することで、その後の経過が大きく変わってくるのです。

 

院長はこれまで岐阜大学動物病院で二次診療に携わる中で、重度や末期の犬や猫を前に、「しこりの時点で気づくことができたら、守れた命かもしれない」と悔しさを感じる場面に度々向き合ってきました。

 

こうした思いから、当院は地域の身近なかかりつけ医院でありながら、幅広い診療に対応できる「がんセンター」を併設したパル動物クリニックを開院しました。
治療内容にしっかり納得していただけるよう、一頭一頭の状況に合わせて丁寧に寄り添いながらサポートできる体制を整えておりますので、どうぞ気兼ねなくご相談ください。

 

犬猫がんセンターについてはこちら

 

しこりの予防と早期発見のコツ

完全にしこりを防ぐことは難しいものの、早期に気づける環境を整えることはできます。
その中でも最も大切なのが、普段から犬や猫の体に触れる習慣です。

 

スキンシップとしてなでながら、首・胸・お腹・わきの下・内股・尻尾の付け根などをさりげなく触れてみると、普段との違いに気づきやすくなります。
特に脂肪がつきやすい部位や、リンパ節のある部分は定期的に確認すると安心です。

 

また、年齢を重ねるにつれてしこりができる頻度は増える傾向があるため、シニア期を迎えた犬や猫はよりこまめなチェックをできると良いでしょう。

 

さらに、動物病院での定期健診も重要なポイントです。
見た目では分からない深部のしこりや、触診だけでは判断しにくい変化にいち早く気づけるため、健康管理の一環として取り入れていただくと良いでしょう。
当院では春の健康診断の特典の一環として、月に1度の診察料が無料になります。(条件などはご来院時にご確認ください)健康な状態を把握でき、気になることを早めに相談いただける体制を整えています。

 

ペットドック(健康診断)についてはこちらで解説しています

 

まとめ|しこりを見つけたときに、最初の一歩を迷わないために

犬や猫のしこりは、すべてが悪いものではありません。それでも「たかがしこり」と考えてしまうと、気づいたときには対処が難しくなることもあります。

触ったときの質感や大きさだけでは判断がつかないため、早めに動物病院で診てもらうことが安心につながります。適切な検査で原因が分かれば、飼い主様の不安も軽くなり、納得したうえで治療や経過観察を進めていくことができます。

 

気になるふくらみや違和感を見つけたときは、ぜひご相談ください。一緒に大切な家族の健康を守っていきましょう。

 

~小さなお困りごとから専門的な治療まで、安心してご相談ください~
🐾碧南市の『パル動物クリニック』
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TEL:0566-41-7510

 

🐾常滑市の『パル動物クリニックトワテラ院』
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