犬猫がんセンター

犬猫がんセンターについて

近年、わんちゃん、ねこちゃんにおいても“がん”を患う子が増えています。そんな現状において、がんの専門的な診断治療が行なえる動物病院は多くありません。

当院では、院長である伊藤は岐阜大学動物病院腫瘍科で5年以上の教員生活を経てきており、専門知識・経験が豊富です。また2016年2月より加わった獣医師の藤田も日本獣医がん学会の腫瘍科認定医を取得し、岐阜大学動物病院腫瘍科でも2年の勤務経験があり、院長同様に専門的知識・経験が豊富です。

碧南市近郊(安城・刈谷・高浜・西尾・半田・岡崎)の全てのわんちゃん・ねこちゃんに、より良い腫瘍・がん医療を提供するためにこの度、『犬猫がんセンター』を併設しました。

当院には高度な医療機器(CT、MRI、放射線治療器など)はございませんが、提携病院があり、対応が可能です。難しい病気だからこそ、専門的な知識と経験が豊富な当院へ一度ご相談ください。

腫瘍について

腫瘍と言っても、全てが“がん”というわけではありません。腫瘍は大きく分けて良性と悪性に分けられます。

良性腫瘍はほとんどの場合が大きな問題にはなりません。良性腫瘍で問題になるのは大きくて生活に支障が出る場合や持続的に出血している場合、脳腫瘍の場合等です。

悪性腫瘍(いわゆる“がん”)は高齢動物の死因で大きなウエイトを占めてきています(2015年に出たあるデータでは死因1位)。わんちゃん、ねこちゃんは自ら症状を訴えないことから、発見が遅れてしまうことが多いのも要因です。
どんな病気でもそうですが、適切な診断を行い、適切な治療を実施する必要があります。腫瘍は命にかかわる場合も多く、適切な診断治療がより重要になります。

がんの特徴

がんは進行性で、周囲に浸潤増殖します。がんの特徴は無秩序な増殖、周囲組織への浸潤、遠い組織への転移です。つまりがんはどんどん大きくなり、周りにおかまい無しに広がって、血管やリンパ管を伝って遠いところにも広がって、最終的にはその子の命を奪ってしまいます。

がんの種類

悪性腫瘍は大きく3つに分類されます。癌(がん)、肉腫、造血器腫瘍(いわゆる血液のがん)です。
癌とは上皮系細胞から発生するもので皮膚癌、胃癌、肺癌などがあります。
肉腫とは脂肪や筋肉、骨等の細胞から発生するもので骨肉腫や血管肉腫、線維肉腫などがあります。
造血器腫瘍とは造血細胞から発生するもので白血病やリンパ腫、肥満細胞腫などがあります。
このようにがんと言っても様々な種類があり、治療法や予後(がんと診断されてからどのくらい生きられるか)が異なります。

がんの診断

悪性腫瘍の診断上とても大切なことにグレードとステージというものがあります。グレードとは腫瘍細胞が正常細胞とどのくらい異なっているのか、簡単に言うと細胞がどのくらい悪い顔つきをしているのかなどで決定されるもので、腫瘍の悪性度を示します。ステージとは腫瘍が体の中でどのくらい広がっているかの指標です。悪性腫瘍の診断ではまずどの種類のがんなのかを確定し、それがどれくらい悪そうなのか、どのくらい全身に広がっているのかを調べます。

診断は身体検査、血液検査に加え、画像検査(レントゲンや超音波、場合によってはCTやMRI)と生検(少し太めの針などをつかって腫瘍の一部を採取します)を行い、その採取した生検材料の病理検査を行って、確定します。検査の種類によっては鎮静麻酔が必要になる場合もあります。

がんの治療

がんの治療は外科手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法が3大治療です。また最近では免疫療法など、様々な治療法が開発されています。またこれらの治療はがんの種類や進行具合により単独でなく、いくつかの治療を組み合わせて行うのが一般的です。

例えば皮膚癌ならば、外科手術を行い、場合により抗がん剤治療を行います。鼻腔内腫瘍では放射線治療が第1選択で、抗がん剤治療を組み合わせて行います。造血器腫瘍では抗がん剤治療が第1選択になります。

高度医療について

腫瘍の診断治療では高度な医療機器が必要になる場合もあります。その際は提携病院などをご紹介致します。

CT検査やMRI検査は、岐阜大学動物病院(岐阜市)、あいち犬猫医療センター(安城市)をご紹介致します。あいち犬猫医療センターは提携しておりますので、当院でわんちゃん、ねこちゃんをお預かりして、当院獣医師で責任をもってCT検査、MRI検査を実施させて頂くことも可能です。(院長、藤田ともにCT、MRI検査の経験はとても豊富です。)

放射線治療は岐阜大学動物病院をご紹介致します。

セカンドオピニオン外来について

セカンドオピニオンとはより良い治療のため、主治医(担当医)以外の専門的な知識をもつ医師(獣医師)の意見を聞くことを言います。

人においてはがん治療などで最近注目されていますが、獣医療においてはほとんど実施されていないのが現状です。これはある疾患(例えば腫瘍など)について専門的知識を有する獣医師が少ないこと、飼い主様が主治医との関係性が壊れてしまうことを恐れて、他の獣医師に意見を求めないこと(これは人においても同様ですが)などが要因です。それでも愛犬、愛猫に最良の医療をうけさせたいと思われる飼い主様の気持ちを大切にしたいと当院は考え、犬猫がんセンター・セカンドオピニオン外来を開設します。セカンドオピニオン外来では基本的にわんちゃん、ねこちゃんの診察を致しません。今後の診断や治療に関してお話しをさせて頂く場とさせて頂きます。当院にて診察を希望される場合は後日改めてとなりますのでご了承ください。

セカンドオピニオン外来をご希望の患者様へ

開設時間は平日(月、火、水、金)13時~16時です。予約制にて実施させて頂きます。
当院開院時間内に電話(0566-41-7510)にてご希望の日時をお知らせください。
血液検査結果、病理診断結果、レントゲン、CT画像など患者様がお持ちのデータをできるかぎりで結構ですのでお持ちください。

① 診断がついている患者様
他院にて診断がなされており、予後(診断時からの平均余命)や治療法などについて話を聞いてみたい患者様。
診断された腫瘍の説明、予後(データが示されている場合)、最適な治療法、緩和治療などをご説明致します。

② 診断がついていない患者様
他院にて診断がついていない状態で、がんだからもう手遅れと言われた場合や手術を提案された場合など、とにかく専門医の話を聞いてみたい患者様。
適切な診断方法、その後の考えられる治療法などをご説明致します。

※セカンドオピニオン外来は、特に患者様とじっくりお話をする必要があるため、予約制とさせて頂きました。

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