パルの動物ブログ ~ 犬と猫と、時々ヒト!? ~

パル動物クリニックの院長とスタッフによる犬や猫のこと、動物病院の日常を綴るブログです。

【今年1年を振り返って】

2017/12/28

年をとると1年が早く感じるとは良く聞きますが、確かにあっという間の1年でした。

2つの動物病院の画像診断顧問に就任しました。獣医向け雑誌の記事も書きました。学会も勉強会も参加しました。論文や本もたくさん読みました。

病院へ来院される患者様も増えています。私を、パル動物クリニックを頼って来院される方が増えています。そんな飼い主様やワンちゃん、ネコちゃんに私はどれだけのことがしてあげられたのか?当院に来られたから少しでも幸せになれたのか?

反省点もいろいろあります。ブログの更新が滞ったことはその一つです。来年は毎月1度は更新したいと思います。また、今年の目標だった「がんセンター」の充実ですが、まだまだ名ばかり状態です。

何ができて、何が足らなかったのか。この1年を来年の1年に繋げられるようにしっかりと前も向いて頑張っていこうと思います。

【先生、うちのワンちゃんが乳ガンに!?】

2017/7/18

今回は犬の乳腺腫瘍についてです。

犬の乳は5対10個あります。時々、4対や6対であったり、左右で数が違っていたりする子もいます。乳腺は前足の付け根付近から後足の付け根付近まで幅広く存在しています。

その乳腺にできるできものが乳腺腫瘍です。乳腺腫瘍は乳がんですよね?と聞かれることもありますが、半分が正解です。腫瘍は悪性と良性があります。

乳腺腫瘍といった場合、良性乳腺腫瘍もしくは悪性乳腺腫瘍(いわゆる乳がん)のどちらかです。犬の乳腺腫瘍は半分が良性、半分が悪性と言われています。

腫瘍が大きかったり、形がボコボコしていたり、筋肉にくっついていたりするとガンの可能性が高いかなと考えますが、これは病理検査をしてみないと正確には確定できません。乳ガンの治療は外科手術が基本のため、手術で摘出した乳腺腫瘍を病理検査に出して確定診断します。またレントゲンやリンパ節の検査で明らかな転移を認めないかは調べます。

犬の乳ガンの発生率は避妊手術の時期と関係があることがわかっています。避妊手術をしない子の発生率を1とした場合、避妊手術の時期が初回発情前ならば1/4、2回目の発情前ならば1/2になり、早く避妊手術をすると乳ガンの発生を抑えることができます。

犬の乳にしこりかなと思ったら動物病院への来院をお勧めします。

人でもそうですが、早期発見、早期治療が大切です。

【職業体験学習にて中学生来院!?】

2017/6/20

レントゲンの説明を聞いています。

5月末に職場体験の中学生が来ました。

大学で教員をしていたので、学生に教えることは全く苦ではないのですが、いかんせん、職場体験!?

何を教えていいのか?いや教えるというより仕事の体験をさせるべきなのだろうと少々悩みながら精一杯対応しています。

自分が中学生の時は職場体験なんてなかったなあと思いつつ、このような経験を中学生のうちにできるのは良いことだなあと思います。

職場体験は現在4つの中学を受け入れています。

中学生が体験に来る時期は患者さんの来院が落ち着いてくる時ですが、よくエマージェンシー(心肺停止の患者さんなど)の対応をしている気がします。エマージェンシーは毎月1回あるというわけでもないのに、職場体験の時に重なることが多い。看護師も今回はエマージェンシーが来ないといいですねと言っているので、私だけの印象ではないようです。

今回も2件のエマージェンシー対応がありました!!!

これが動物病院なのだと経験してもらうにはいいですが、中学生の職場体験の経験としては刺激が強すぎるかもしれません。

でもこれが本当の動物医療の現場、命を扱う現場なのです。

【CT検査って必要???】

2017/6/5

最近、セカンドオピニオン(今かかっている獣医師以外の獣医師の意見を聞くこと)が増えています。その中でCT検査をした方が良いのに提案もされていない場合や、折角CT検査を受けてきたのに、CT検査の質が悪くて必要な情報が得られていない場合などの症例によく遭遇します。

そもそもCT検査とはコンピュータ断層撮影のことで、簡単に言うとX線を使って体の輪切りの画像を撮影して、体の内部まで可視化できる検査です。今はCT装置も発達して、3D画像なども簡単に作り出せるようになっています。

CTは1970年台に日本でその基本技術が開発され、人医療では急速に広まりました。獣医療にもここ10年ほどで急速に普及が進み、ここ数年で民間の動物クリニックレベルでもCTが導入されてきています。しかし、

『どういう場合に撮るの?』
『いつ撮るの?』
『どうやって撮るの?』
『CT画像はどう読むの?』

これらをわかっている獣医さんが少ない!!!
ガンを疑う場合はCT検査をした方がいい場合が多くあります。


私は今年から他院で画像診断顧問にも就任しました。
いつでもご相談ください

【執筆活動~膀胱癌の特集~】

2017/4/20

本を書いています!?ではありませんが、獣医師向けの雑誌の記事を書いたことがあります。大学で教員をしている時は2年くらい連載をしていました。

パルの院長になってからも、時々依頼があります。

先日も一つ原稿を仕上げました。

原稿を書くのはまず調べ物から始まります。自分が持っている知識だけでは当然足りない場合もあるため、最新の論文をチェックします。そしてどんなストーリーで書くのか、書いていく上でいかにわかりやすく伝えられるかなど色々考えて仕上げていきます。

日々の臨床をしながら書いていくのはなかなか大変です。大学教員の時はこのような執筆活動も仕事のうちで、実際に時間を作りやすかったのですが、今は臨床の合間や夜に時間を見つけて書いていきます。大変な作業ですが、この執筆で得た知識も当然、日々の臨床に役立てられるし、自分の知識の整理にもいい機会だなとポジティブに捉えて書いています。

今回はJ-VETと言う獣医師向け雑誌の膀胱癌の特集で、抗がん剤治療と放射線治療の部分を執筆しました。

~今回の執筆から~

膀胱癌の治療に革新は起きていませんが、抗がん剤の選択の幅が少し広がっています。以前の膀胱癌に使用する抗がん剤は扱いにくく、一般の開業医の先生は使用経験がない先生が大半だったのですが、より使いやすい抗がん剤での治療報告がこの数年でなされています。ただし、まだ以前の抗がん剤に比べて明らかに優れているとは言いにくく、今後の報告に期待です。 ちなみに当院では以前から使用されている抗がん剤、新しく報告されている抗がん剤、ともに使用経験は豊富ですよ。

【猫にフィラリア!?】

2017/2/27

「先生、犬の間違いでしょ?」
そんな声が聞こえてきそうですが、猫にフィラリアが感染することがあります。

そもそもフィラリアって何???
簡単に言うと蚊によって感染する寄生虫(犬糸状虫といいます)です。犬が寄生虫をもった蚊に刺されると感染します。犬に感染したフィラリアの幼虫は大きくなって、肺動脈というところに大量に寄生して犬の血の巡りを悪くします。そのため、犬では循環不全から咳や腹水、呼吸困難などの症状が出て、最終的には死に至ることもあります。

では猫には・・・???
基本的には寄生しません。もし猫が蚊に刺されて体内にフィラリアの幼虫が入っても、ほとんどの幼虫は死滅します。しかし、稀に死なずに生き残ってしまう幼虫が存在します!?それが猫のフィラリア症を起こします。ここで問題なのは猫のフィラリア症は、犬と違って、発見が難しく、致死率が高いことです。猫が原因不明で死亡した場合に剖検(原因究明のため、遺体を解剖すること)して、初めて発見されたというケースが少なくありません。

ではどうすればいいのか???
予防すればいいのです。病気の発見、治療は難しくても犬と同様に1ヶ月に1回(当院ではつけるタイプの薬を勧めています)で予防できる薬があります。予防で病気を防げれば安心ですね。

いつから予防するの???
今でしょ!?ではありません。寒い冬に蚊はほとんどみませんよね。蚊が発生する時期からです。近年は蚊の発生も早くなっているので4月からがオススメです。

【先生、ガンですか?】

2017/1/27

皮膚などにできものができて、来院された際によく言われる言葉です。
確かに「できもの=ガン」と不安に思ってしまうものです。

ここで大事なのはそれが本当にガンかそうでないかです。
そのためには何をするのか?それは検査です。
確かに経験からこれは何が最も疑われるなとある程度、推測を立てることはできますが、触れた感じや見た目で確定診断は下せません。
「まずは検査しましょう」というと、「手術ですぐにとってほしい」と言われることもありますが、できものの種類によってどんな取り方をした方がいいのか、異なります。
また実は手術ではなく、薬による治療がいい場合もあります。

頻繁にする検査の一つに、できものに細い針を刺す検査があります。基本的に鎮静や麻酔も必要としません。外来でさっとできてしまいます。

また確定診断を得るためにはやや太めの針などでできものの一部を取ってきて、専門の先生(病理医…昨年、フラジャイルと言うドラマで脚光を浴びました)に調べてもらいます。この検査では鎮静麻酔をかけることが多いです。

このような検査を経て、治療に進んでいきます。
敵を知り、初めて戦いを挑みにいくのです。

写真の子は1cmに満たない小さな腫瘍でしたが、細い針を刺す検査をして肥満細胞腫という悪性腫瘍と診断がつきました。

【2017年を迎えて】

2017/1/27

少し遅くなりましたが、本年も皆様どうぞ宜しくお願いします。

当院は昨年、藤田獣医師を迎え、休診日を少なくし、犬猫がんセンター(まだ名ばかりですが)を併設するなどの診療体制の充実に努めてきました。

またトリミング室のオープン、外壁の塗装(綺麗になりました^^)とハード面でも充実に努めました。このブログも昨年末からですね。

今年はソフト、ハード面ともによりいっそうの充実をはかり、来院される全ての皆様により良い獣医療の提供をお約束いたします。

今年は特に「犬猫がんセンター」の充実を重点目標にしたいと考えています。
昨年は少しづつですが、がんを患ったわんちゃん、ねこちゃんの来院が増えてきました。
CT装置を持っている大きな病院や獣医師が多数在籍する病院さんから当院に移られる患者さんもいらっしゃいます。
医療機器や獣医師の数では大きな病院にはかないませんが、来院される全ての患者さんに正しい獣医療の提供すること、飼い主様と愛犬、愛猫にとってベストな医療を提供することを心掛けて頑張っていきたいと思います。

また転院してこられる患者さんのなかには、がんがかなり進行してしまった状態の患者さんも多数見られます。
私が大学を辞めて、一次病院でやっていこうと思ったきっかけ、「発見の遅れや治療の遅れから進行した状態になって大学病院にやってくる患者さんが多いことを変えたい。自分なら早期診断、治療をしてあげられる」と思ったことを改めて決意させられています。
もっと当院のことを知ってもらい、少しでも皆様のお手伝いができればと思っております。

【クリスマスから年末年始は!?】

2016/12

クリスマスの楽しいパーティーをした後は新年の準備に追われ、何かとイベントの多いこの時期。

動物病院でこの時期に増えるのは誤食で来院する子達。

クリスマスのチキンを骨ごと飲み込んでしまった犬、チョコレートケーキを盗み食いした猫、気がついたらテーブルの上のおせちが無残なことに、でも犯人の姿は見えずなんてことも。

誤食で注意しないといけないのは、緊急性を有するものをどれだけ食べたかです。
玉ねぎは食べちゃいけないものとして有名です。チョコレートやキシリトールなども比較的知られています。他にはブドウも注意をしてほしいものです。
食べてはいけないものではないけれど、チキンなどの骨は消化できなかったり、骨が尖っていたりして、食道や胃を傷つけることもあります。
他に串や爪楊枝がついたままの食べ物を飲み込んだ場合は胃や食道などに刺さってしまうこともあります。

誤食で来院するわんちゃん、猫ちゃんの治療は様子を見てもらう場合、内服薬を飲んでもらう場合など軽いものから、入院して点滴治療や内視鏡、開腹手術まで様々です。

何かと忙しく、愛犬、愛猫から目を離してしまうこの時期、少し意識して変なものを食べたりしないように注意しましょう。

【動物病院~犬と猫と、時々エキゾ~】

2016/11

動物病院では色々な動物を診ますが、犬や猫がほとんどです。
昔は犬が圧倒的に多かったのですが、最近では猫の来院が増加しています。
そして時々、ハムスター、うさぎ、フェレット、インコ…。

犬の飼育頭数は減少傾向にあり、猫は横ばい、2015年のペットフード協会の調べでは「犬と猫の飼育頭数は、ほぼ同数」になっています。
いわゆる猫ブーム。動物を飼うことを考えるとブームはどうかなと思ったりもしますが、世の中で猫が人気なのは確かです。
そういえば、子供たちに人気の妖怪ウォッチもジバニャン、ロボニャン、ブシニャン、フユニャン・・・猫だらけですね。

猫は散歩がいらないことや、飼う上での費用が低いことなどが人気の理由のようです。
「猫がブームとなる時は景気があまり良くない」と某経済学者さんは言ってました。
!?ですが、高齢になれば様々な病気になってくるのも確かです。
日本の高齢の猫では30%が腎不全を、65%が関節炎を患っているとの報告もあります。
どんな動物も家族の一員として迎えることは大変ですね。

あー、こんな写真を見てると猫ブームも納得がいきます。

【はじめまして】

2016/11

パル動物クリニックの院長の伊藤です。

今は思っていることを発信できるツールって、たくさんありますよね。
そんな時代の流れにのってみようかなと思い、ブログを始めることにしました。
主に動物の病気のことをわかりやすくお伝えしながら、動物病院、獣医師のことなど、色々な情報を発信していこうと思っています。

ブログを進めていく上で、時には「この内容はどうなんだろう」と思う方がいるかもしれませんが、そこはご容赦ください。
基本方針は、読んでくれる全ての人に、色々な情報と少し幸せを届けられるようなブログ(これは難しいことですが)になれば良いなと思います。

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